フィラーとしてのパーライト
フィラーとしてのパーライト
フィラーとは和名で充填材ですが建築分野における狭い定義での「フィラー・充填剤」と、工業分野における広い定義での「フィラー・充填剤」があります。
建築分野における狭い定義では隙間などを埋める材料として、断熱材、モルタル、パテ、塗料などを指します。
広い定義では「混ぜもの」「添加するもの」「助剤/混ぜて使うと有益なもの」「元となるものに充填するもの」などの広範囲な意味となります。
建設分野における狭義の「フィラー・充填剤」の使用例
全世界のパーライトの最大需要は本項の「フィラー・充填材」です。
セメント・コンクリートなどの軽量化を目的とした添加物としての使用例が最も多いですが、これら使用例の詳細は【軽量骨材としてのパーライト】ページを参照ください。
その他の建設分野でのフィラー充填材用ととしては、サイディングボードなどがあります。
サイディングボードとは、セメントや繊維などを使って、板状に成形した建築物の外装に用いるものです。サイディングボードにパーライトを添加する事で、優れた断熱性と防火、防音を備えた軽量骨材となります。
以上の事から、サイディングボード(壁材)としてパーライトは近年急速に消費量を高めて参りました。
昔からあるサイディングボードと比較すると、パーライトを添加することで大変軽くなり、直射日光の当たる様な場所でも高い断熱効果が証明されています。
工業分野における広い定義での「フィラー・充填剤」での使用例
旧来のフィラー・充填材とは、完成品の原材料費を抑えるために嵩増し材として、物質を添加することが一般的であり、同様の意味でフィラー、添加物などの使い方をされてきました。しかし、パーライトは添加することで、嵩増しだけでなく様々なメリットがあり、フィラーの分野で消費量は高まっています。
具体的には、樹脂やゴム、塗料分野が有名で、例えば塗料にパーライトを添加すると優れたつや消し効果と粘土調整が可能となります。
今後、見込まれるフィラーとしてのパーライト用途
これから、よりパーライト業界を賑わしていくためには、現在流通しているものと違う用途での使用を目指していく必要があります。
そこで、昭和化学では現行のパーライトよりも微細で粒度が均一なパーライトの開発を進めています。
開発の過程で、ただ原料の粒度を細かくしただけでは、想定通りに焼成することが出来ず、吸水率や強度も現在流通しているものとあまり変わらないものしかできませんでした。そこで、焼成条件を見直し、原料も様々な産地のものを試すことで、現行よりも微細で吸水性を抑えたパーライトの試作に成功しました。
更に詳しいフィラーについては【充填剤.com】をご覧下さい
充填材用途での効果
セメント
軽量性
⇒パーライトは多孔質のシリカ物質の為、通常よりも非常に軽量なモルタルができる。
断熱性、耐火性
⇒融点が1200℃であり、熱伝導率が大気圧下で0.036~0.05W/m・Kなので、断熱性・耐火性に富む。
塗料
つや消し効果
多孔質であるパーライトを添加することで、光を乱反射させ、塗料表面のツヤが消え、柔らかい光沢面が得られる。
ハンドリング性の向上
球状のパーライトを添加することで、滑りがよくなりハンドリング性が向上する。
樹脂
増量
高温で焼成した無機物質の為、樹脂本来の物性を損なうことなく、かさ増しを行うことができる。
離型剤
パーライトを添加することで、樹脂表面にパーライトの凹凸が現れる為、樹脂同士の密着を防ぐことができる。
今後、見込まれるフィラーとしてのパーライト用途
これから、よりパーライト業界を賑わしていくためには、現在流通しているものと違う用途での使用を目指していく必要があります。
そこで、昭和化学工業では現行のパーライトより微細で吸液性を抑えたパーライトの開発を進めています。
開発過程で最初のころは、原料をただ細かくしたものを、現行と同じ方法で焼成していました。今までの基本的な焼成条件だけでは、なかなか目指している品質を実現することはできませんでした。
しかし、原料も様々な産地のものをテストし、焼成条件を大きく見直すことで、現在流通しているパーライトよりも微細で、吸液性を抑えたパーライトの試作に成功しました。
目指す用途としては、フライアッシュバルーンやガラスバルーンの代替品としての利用や、これまで使用されてこなかった業界などに進出したいと考えています。