パーライトの科学的物質特徴
組成(真珠岩を原料としたパーライト/もっとも流通している、平均的なパーライト組成)
シリカ | 酸化アルミニウム | 酸化カリウム | 酸化ナトリウム | 酸化鉄 | 酸化カルシウム |
SiO2 | Al2O3 | K2O | Na2O | Fe2O3 | CaO |
75.0% | 14.0% | 4.2% | 3.5% | 0.9% | 0.1% |
天然鉱物を粉砕後加熱して生成される為、主にアルミナ含有成分が2~3%不純物として含まれています。
形状・重量など
pH:7.0(中性) 熱伝導率:0.036~0.05
粒度分布:5.0mm~0.10mm
単位容積質量(ルース嵩密度):0.05~0.90
※用途によって、適した粒度・嵩密度は違います。
パーライトはシリカを主成分とした無機物質のため不活性で、耐火性・耐薬品性に優れた物質です。また、多孔質な構造を待っているので、吸液性や断熱性に良い効果を発揮します。また、嵩高い特徴から建材の軽量化にも用いられます。パーライトはそれらの特徴により様々な分野で活躍しています。
①水・油を吸収する
パーライトは多孔質であるため、水・油を吸着する効果があります。この性質を利用して、機械油などの手洗い洗剤として利用されています。パーライトの吸着作用による油の吸着とパーライトの研磨作用によって油汚れを落とします。
②ボリュームがある
パーライトは、真珠岩がポップコーンのように膨らんんだ物質です。膨らんだ表面は、薄いガラス状の膜のようになっている為、非常に軽量で嵩高いです。濾過に利用する際は、この特徴を活かしドラムフィルターにて使用され、ドラムに助剤を貼りつけて使用します。建材としては、パーライトの軽さを利用し、比重の軽いモルタル等に使用します。
③研磨剤として
パーライトの発泡体は、薄いガラス状の為、非常に脆い性質も持っています。この性質は、車のコンパウンドなどに最適で、パーライトの硬さで表面を磨き上げると同時に、パーライトは壊れていく為、表面を傷つけることなく磨き上げることが可能です。
④水の透過性
緑化に使用するパーライトは比較的粒度の大きいものを使用します。土壌にパーライトを混ぜることで、土壌に空気を含ませることが出来るため、根を生やしやすくなります。また、パーライトは中性ですので、土壌に影響なく混ぜて使用できます。
⑤アンチブロッキング性
パーライトの樹脂に添加すると、パーライトが樹脂表面に凹凸を生みます。そうすることで、樹脂同士の密着を防止します。この効果をアンチブロッキング性と言います。
⑥流動性
パーライトには中空球体上のものがあり、このパーライトをモルタルや塗料などに添加すると、球状の効果で滑りが良くなります。
⑦保温性
パーライトの熱伝導率は、0.036~0.05W・m-1・K-1であるため、熱を伝えにくい特徴があります。なので、LNGタンク等に充填すると外から熱が伝わらず、中から熱が逃げなくなるので、内部の温度を一定に保つことができます。
⑧ポゾラン反応
パーライトが水存在下にて、セメント中の水酸化カルシウムと反応することで、ケイ酸カルシウム水和物及びアルミン酸カルシウムを生成し、強度が増す反応。この反応により、強度を落とすことなく、軽量化が可能となる。