真珠岩を急速加熱すると得られるパーライトは高性能な軽量骨材としてセメント、
モルタル、サイディングボード、除滓材や緑化剤としても使用されています。

除滓材としてのパーライト

鉄を精製する過程で発生するスラグは長らく製鉄業界の悩みの種でした。

高炉では1トンの原料から平均300キロ程度のスラグが排出され、一般的な製鉄所やスクラップでも大量のスラグが排出されます。除滓材とはこれらスラグを取り除く為の材料として、昔は藁灰やもみ殻を使用していましたが、これに代わる画期的な除滓材としてパーライトが活躍しています。

旧除滓材の使用や製錬過程の自然分離ではスラグを取り切れないことによる品質の劣化や製品部分まで余分に除去してしまい完成品の歩留り低下が問題となっていましたが、パーライトがこれらを解決します。

パーライトの主要成分はシリカ(SiO2)によって形成されています。シリカ分はスラグを吸着する性質があり、マンガンスラグをはじめ広範囲のスラグに有効に作用します。

また、パーライトは無機多孔質であり優れた土壌改良剤(緑化材)として、原料のまま土壌に混ぜるだけで植物の育成が促進されるなどの特徴があり、日常的に使用されていることから、スラグはパーライトを用いて除滓を行うと、除滓後の産廃がそのまま優れた肥料(側物性のケイ酸カルシウム肥料)として転用できる可能性が高く、実際に多くの稲作水田で使用されています。

尚、最新の研究で徐冷スラグなど塊を浅瀬の海に散布すると海藻やサンゴなどの発育へ有効に作用する事が確認されており、大規模な使用実験は始まっています。軽炉、電気炉系で製鋼スラグにお悩みの方は副産物を使って社会貢献(エコ活動)や水産事業が行えると思われます。

昭和化学工業で販売している除滓材用のパーライトは、完全に発泡させず、焼成具合を調整しています。理由は、未発泡なものだと炉内へ投入した際、爆裂し飛び跳ねることがあり、完全に発泡したものだと、スラグを綺麗に集まりが悪くキレイに回収できないことがあるため、ちょうど良い発泡具合に調整しています。

 

除滓材としてのパーライト商品説明

除滓は「除滓剤を適量湯面に撒きスラグと絡め、これを鉄の棒に絡めて炉外に出す」という方法で行われる。除滓剤は、鋳鉄湯面に撒かれると熱により発泡し、その高い粘度によりスラグと絡まる。この高い粘度を産み出す成分としてシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)がある。パーライトはこの2物質を含んだ鉱物のため、除滓用途で使用すると非常に良い効果を発揮することができる。

 

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